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福屋利信著
2013年7月発売 四六判・ソフトカバー・256ページ
揺れる日韓関係の今だからこそ読んでおきたい1冊!
竹島問題や「従軍慰安婦」問題など、政治的には、かつてないほど日韓関係がぎくしゃくしているなか、K-POPや韓流ドラマ、映画などは変わることなく日本国民に受け入れられている。
著者はここにこそ、未来型の日韓友好を模索する道があるのではないかと説く。
韓国のポップカルチャーを通して韓国の文化や近現代史を知り、日韓の文化を比較しながら、
相互理解を深めることを提案する。
第1章 朝鮮戦争からソウル・オリンピックへ(南北分断から朝鮮戦争へ/竹島(独島)問題から日韓基本条約へ ほか)
第2章 ワールドカップから日韓新時代へ(民主化から格差是正へ/6・29民主化宣言以後の大統領とその政策 ほか)
第3章 2013年のソウルと北の脅威(「パルリ、パルリ」(速く、速く)文化/ソウルの整形美容事情の背後に見える韓国人気質 ほか)
第4章 日本のK‐POP受容(J‐POPとK‐POPの比較論/J‐POPとK‐POPを繋いだBoAと東方神起 ほか)
●東京新聞レビュー
「音楽、映画通じ韓国を探る 社会情勢踏まえ、本出版」
英米ロックやビートルズなどを研究している山口大学の福屋利信教授(大衆文化研究)が、音楽や映画といった文化的側面を通して韓国の実像を伝える書籍「植民地時代から少女時代へ~反日と嫌韓を越えて~」(太陽出版)を出した。著書では、民主化への過程、経済の隆盛、1988年ソウル五輪、2002年日韓共催サッカーワールドカップなど、韓国の政治や社会情勢を踏まえ、その時期にヒットした音楽や映画の背景を解説。高水準な歌手やグループが多数登場するKポップ界の事情、それらがどのように日本に広まっていったかなどについても説明している。領土問題などでたびたび緊張する日韓だが、福屋教授の最近の訪韓体験例として、ソウルでの街歩きや居酒屋の店内でも、むき出しの反日感情を突きつけられることはなくなった――などと記している。経済や文化の民間交流を強化し、相互の理解を深めていく重要性を説いている。
~読者の声~
・「文化論を展開する場合、先行文献や既存の資料にあたるだけでなく、入念な調査とフィールドワークが必要不可欠である。この点、著者は何度も現地に足を運び、自らの目と耳と全身の感覚で「韓国のいま」を感じ取り、日韓の歴史を丹念に整理したところに見事にフィードバックさせている。音楽・映画・スポーツといった文化的なものから、日韓の領土問題や朝鮮半島そのものの南北関係といった政治的側面にいたるまで、著者は実に様々な分野で、客観的な史実を的確に記述する一方、そこに存在する問題点から今後の展望まで、独自の見解を述べていく。その見解や意見に妙に説得力を感じるのは、日韓関係がより建設的・友好的になってほしいという著者のほとばしる情熱を一貫して感じるからだろう。両国の関係が政治的に難しい時期に差し掛かっている今だからこそ、文化交流でもってよりよい関係を構築していくべきであり、またその素地があるがゆえに十分可能であるとする著者の主張には、共感できる点が多い。さらに、本書でも頻繁に取り上げられているが、著者が韓国と関係の深い山口県に育ち、
自身の人生の随所において韓国そして日韓関係を肌で感じてきた事実そのもの、そしてそこからくる日韓関係のさらなる進展への熱い思いこそが、そもそも著者を本書執筆へと駆り立てた原動力ではないかと個人的には感じる。本書の全編を通して、そうした著者の溢れんばかりの情熱とメッセージを感じるのだ」
・「まず驚くのが筆者のフィールドワークのすごさである。何度も韓国に足を運びルポのごとく丁寧に取材を重ねていることに脱帽。そして特筆すべきは若い人々への理解の上で書かれている点である。単なる、事実を無味乾燥に述べた学術論文的でないところが良い。文化を音楽、映画という面から取り上げているのは筆者の面目躍如であろう。筆者はビートルズを中心に60年代の音楽を語らせたら日本でも有数のエキスパートである。本書ですごいと思うのは韓国の映画史をほんとにわかりやすく年代順に解説してくれているところである。あれも見たい、これも見たいと思わせる。若い人々に是非見て欲しいという作品ばかりが、的確に批評、感想が述べられている、これだけでもこの本は一見の価値がある。。。。文中から感じられるのは筆者の心からの願いであろう日韓の真の友好促進への熱情である。今こそ、筆者のような視点から日韓が互いに理解し合う時代なのではなかろうか?筆者のこのようなほとばしるような情熱はどこからくるのであろうか?本書によれば、山口県に生まれた彼は若い頃から日本における朝鮮人差別に対して、強い憤りというより、深い悲しみを抱いてきたようである。ただ、それを心に抱くだけでなく、差別撤廃を行動に移していることに尊敬の念をいだく。若い世代の諸君に是非とも読んでいただきたい一冊である。本書によって韓国(というよりは朝鮮)の辿った苦難の道を理解した上で、過去の日本の犯した過ち(特に植民地化)について潔く謝罪し、その上で友情を築くようにしてほしい。いつの世もいじめた者はそれをすぐに忘れるが、いじめられたものは決してそれを忘れられないのであるから。最後に、このタイトルからも察しが付くと思うがこのような切り口で韓国を語れるのは筆者以外にないだろうと思う。大学、高校などの図書館には常備の一冊だと強く思う」
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